Le journal d'une femme pourrie.
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その日に、元より名などなかった。
無論、同時に意味も持たぬ、ただのつまらぬ一日であった。
いつもの様に乞われる儘に踊り、歌い、そして一日が終わる。
平凡な繰り返しの愛おしい毎日が、そうやって続いて来たのだ。
-----------------だけど、今日は。
*****
酒場で今日の仕事を終え、仲間たちと他愛ない話をしながら、夕食をゆっくり採る。
歯を立てれば削れそうな程硬いかちかちのパンに、殆ど細切れになった野菜と幾らばかりの肉の切れ端を混ぜ込んで煮込んだスープ。
湯気も立たないそれをスプーンで掬い上げて口元に運びながら、硬いパンを咀嚼していた。
隣では既に酒の入った仲間達が陽気に肩を組んで歌い始め、赤ら顔でガハハハ、と下品な笑い声を上げる。
うるさいなあ、と顔を顰めている自分に、酔っ払いの一人が絡んできた。
「よう、何だ何だ辛気臭え面しやがって。年の割りに可愛くねーな、お前は。
ほれ、お前も飲むか?これ飲んだらちっとは背も伸びるかもしれねえぞ」
「遠慮しとくよ。俺の事はいいから放っといて」
んだあ、可愛くねえ、とぶちぶち零す男を、酒場の女主人が宥める。
「子供に酒なんか飲ませるもんじゃないよ、勿体無い。寒い時だけで十分だよ。」
「んだってよう、おかみ。俺はさァ-------」
「ああ、あたしから見りゃ、あんたの方がこの子の何十倍も可愛くないよ。酒くさい、しっしっ!」
指先でちょいちょと男を追い払うような仕草をしたおかみに、振られてやんの、と茶化す声が挙がる。
その声にうるせえ!と照れながらも怒号を上げた男は、未だ硬いパンに齧り付いている子供の方に顎をしゃくった。おかみが、神妙に頷く。
「そら、これも食いな。サービスだよ」
ごとん、と目の前に置かれたのは、チョコレートで固めた一枚のクッキー。
おかみが作ったのであろうそれは、如何にも不恰好で、お粗末なものだった。
「え・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・」
「そら、あんた達」
途端に男達は陽気に肩を組んだまま、更に大声を張り上げて、聞いた事もないような異国の旋律で歌を紡ぐ。
すると、店の彼方此方から歌声が加わり、ついには見知らぬ人々も含めての大合唱となった。
自分もその明るい旋律につられるように、意味が分からないながらも歌い続ける。
同じ旋律を何回か繰り返し、漸く歌い終わった所で店中から拍手が上がった。
口々に皆が、おめでとう、おめでとうと自分の方を向いて笑う。
呆然としている自分の肩を、先程酒を勧めて絡んできた仲間の男がばあん、と強く叩いた。
「おう、おめでとうよ。そら、折角のおかみのクッキー、食わねえなら俺が食っちまうぞ」
まだ状況がつかめず目を白黒させている自分に、温め直したスープの皿を置いたおかみが、ふわりと笑いながら頭を撫でて、告げる。
「お誕生日おめでとう、ハジ。」
口に放り込んだその歪な形のクッキーの欠片を喉に詰まらせて、少年はげほげほと咽込んだ。
大人なんて、ちっとも可愛くない。そう思いながら。
*******
あー・・・・・・・・・・はみ出した・・・・・・・・日付跨いじゃった・・・・・・・・・・
はい、という訳で、ハジ、お誕生日おめでとうございます。
ハジ小夜ではないので日記に上げてみました。
一回でいいから、ロマ時代のハジを書いてみたかったんです。
まあこれに小夜を絡めてSS仕立てにしようかとも思っていたのですが、時間がなくて諦めました。
来年は是非リベンジしたいですね。
そしてハジの誕生日が今日だというのは勝手に私が思い込んだ上に言い張っているだけなので、お気になさらず。8月4日→ハジの日でいいじゃん、という単純明快な脳味噌で悪いか!
とりあえず文章の勘が戻っていない事に絶望した!!
無論、同時に意味も持たぬ、ただのつまらぬ一日であった。
いつもの様に乞われる儘に踊り、歌い、そして一日が終わる。
平凡な繰り返しの愛おしい毎日が、そうやって続いて来たのだ。
-----------------だけど、今日は。
*****
酒場で今日の仕事を終え、仲間たちと他愛ない話をしながら、夕食をゆっくり採る。
歯を立てれば削れそうな程硬いかちかちのパンに、殆ど細切れになった野菜と幾らばかりの肉の切れ端を混ぜ込んで煮込んだスープ。
湯気も立たないそれをスプーンで掬い上げて口元に運びながら、硬いパンを咀嚼していた。
隣では既に酒の入った仲間達が陽気に肩を組んで歌い始め、赤ら顔でガハハハ、と下品な笑い声を上げる。
うるさいなあ、と顔を顰めている自分に、酔っ払いの一人が絡んできた。
「よう、何だ何だ辛気臭え面しやがって。年の割りに可愛くねーな、お前は。
ほれ、お前も飲むか?これ飲んだらちっとは背も伸びるかもしれねえぞ」
「遠慮しとくよ。俺の事はいいから放っといて」
んだあ、可愛くねえ、とぶちぶち零す男を、酒場の女主人が宥める。
「子供に酒なんか飲ませるもんじゃないよ、勿体無い。寒い時だけで十分だよ。」
「んだってよう、おかみ。俺はさァ-------」
「ああ、あたしから見りゃ、あんたの方がこの子の何十倍も可愛くないよ。酒くさい、しっしっ!」
指先でちょいちょと男を追い払うような仕草をしたおかみに、振られてやんの、と茶化す声が挙がる。
その声にうるせえ!と照れながらも怒号を上げた男は、未だ硬いパンに齧り付いている子供の方に顎をしゃくった。おかみが、神妙に頷く。
「そら、これも食いな。サービスだよ」
ごとん、と目の前に置かれたのは、チョコレートで固めた一枚のクッキー。
おかみが作ったのであろうそれは、如何にも不恰好で、お粗末なものだった。
「え・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・」
「そら、あんた達」
途端に男達は陽気に肩を組んだまま、更に大声を張り上げて、聞いた事もないような異国の旋律で歌を紡ぐ。
すると、店の彼方此方から歌声が加わり、ついには見知らぬ人々も含めての大合唱となった。
自分もその明るい旋律につられるように、意味が分からないながらも歌い続ける。
同じ旋律を何回か繰り返し、漸く歌い終わった所で店中から拍手が上がった。
口々に皆が、おめでとう、おめでとうと自分の方を向いて笑う。
呆然としている自分の肩を、先程酒を勧めて絡んできた仲間の男がばあん、と強く叩いた。
「おう、おめでとうよ。そら、折角のおかみのクッキー、食わねえなら俺が食っちまうぞ」
まだ状況がつかめず目を白黒させている自分に、温め直したスープの皿を置いたおかみが、ふわりと笑いながら頭を撫でて、告げる。
「お誕生日おめでとう、ハジ。」
口に放り込んだその歪な形のクッキーの欠片を喉に詰まらせて、少年はげほげほと咽込んだ。
大人なんて、ちっとも可愛くない。そう思いながら。
*******
あー・・・・・・・・・・はみ出した・・・・・・・・日付跨いじゃった・・・・・・・・・・
はい、という訳で、ハジ、お誕生日おめでとうございます。
ハジ小夜ではないので日記に上げてみました。
一回でいいから、ロマ時代のハジを書いてみたかったんです。
まあこれに小夜を絡めてSS仕立てにしようかとも思っていたのですが、時間がなくて諦めました。
来年は是非リベンジしたいですね。
そしてハジの誕生日が今日だというのは勝手に私が思い込んだ上に言い張っているだけなので、お気になさらず。8月4日→ハジの日でいいじゃん、という単純明快な脳味噌で悪いか!
とりあえず文章の勘が戻っていない事に絶望した!!
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Ki-ri
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職業:
学生、塾講師
趣味:
映画鑑賞、イラスト、語学
自己紹介:
漫画、アニメから映画までこよなく愛する、関東県内鼠の国近くに在住の学生兼国語教師。執事、騎士に萌える毎日から、最近は某映画の船長に激萌え故に鼠園にひたすら通いつめているらしい。
語学は現在フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語を学習中。心理学、法律学から太極拳まで幅広く興味を持っているが、あきやすいのがたまにきず。最近は洋画を英語字幕で観るのがたまらなく好きらしい。最近のお勧めは「The Devil Wears Prada」
語学は現在フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語を学習中。心理学、法律学から太極拳まで幅広く興味を持っているが、あきやすいのがたまにきず。最近は洋画を英語字幕で観るのがたまらなく好きらしい。最近のお勧めは「The Devil Wears Prada」
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